「ありがとう」の気持ちを記録するネイチャーノート:身近な自然に言葉を添える感謝習慣
日々の忙しさの中で、心が少し疲れていると感じることはありませんか。ストレスが溜まりやすく、リラックスする時間が持てない、そんな状況が続くと、心身のバランスを崩してしまうこともあります。自然に触れることや、感謝の気持ちを意識することは、こうした心の状態を穏やかにする手助けとなります。
本サイトでは、自然観察と感謝の記録を結びつける「ネイチャーノート」という習慣をご提案しています。そして今回は、さらに一歩進んで、身近な自然に対する「ありがとう」の気持ちを言葉にして記録する「ありがとうネイチャーノート」をご紹介します。
このネイチャーノートは、特別な場所や時間を必要とせず、日常生活の中で手軽に始めることができます。自然への小さな感謝を言葉にすることで、心が穏やかになり、日常の景色がより豊かに感じられるようになるかもしれません。
「ありがとう」を添えるネイチャーノートとは
「ありがとう」を添えるネイチャーノートとは、自然の中で見つけたものや感じたことに対し、感謝の気持ちを言葉にして記録する試みです。
例えば、道端で見つけた可憐な花、晴れた日の空の青さ、窓辺に差す柔らかな光、雨上がりの草木の香り。そうした身近な自然のワンシーンを観察し、その瞬間に感じた「ありがとう」という気持ちや言葉を、観察記録に添えて書き記します。
なぜ、あえて「ありがとう」と言葉にするのでしょうか。それは、感謝の気持ちを具体的な言葉にすることで、漠然とした良い感情がより明確になり、心に定着しやすくなるためです。言葉にすることで、脳はその感情を認識し、ポジティブな感覚が深まることが期待できます。
身近な自然に「ありがとう」を見つけるヒント
では、具体的にどのようにして身近な自然に「ありがとう」を見つければ良いのでしょうか。
鍵となるのは、五感を意識すること、そして日常の小さな出来事に目を向けることです。
- 視覚: 朝日に輝く露、葉っぱの繊細な葉脈、虫の動き、雲の形など、目に見えるものから「美しいものを見せてくれてありがとう」「新しい発見をありがとう」といった感謝を見つけます。
- 聴覚: 鳥のさえずり、風が葉を揺らす音、雨粒が窓を叩く音、虫の羽音など、耳に届く音から「心地よい音色をありがとう」「命の気配をありがとう」といった感謝を見つけます。
- 嗅覚: 雨上がりの土の匂い、花の香り、樹木の匂いなど、鼻で感じる香りから「懐かしい香りをありがとう」「心を落ち着かせてくれてありがとう」といった感謝を見つけます。
- 触覚: 風の肌触り、木の幹の感触、落ち葉を踏む感覚など、肌や体で感じるものから「心地よい刺激をありがとう」「季節を感じさせてくれてありがとう」といった感謝を見つけます。
このように、特別な自然体験でなくても、普段見慣れた景色の中に隠された小さな「ありがとう」を見つけることができます。その自然物が「そこに存在していることそのもの」や、「自分に特定の感覚や感情を与えてくれたこと」に対して感謝の視点を持つことが大切です。
「ありがとう」を記録する方法
感謝の気持ちを記録する方法は、非常に多様です。ご自身のライフスタイルや使いやすさに合わせて、自由に選んでみてください。
- 手書きノート: 一番古典的で、五感を使った観察記録と共に感謝の言葉を書き添えるのに適しています。観察したものの簡単なスケッチや、拾った葉っぱなどを貼り付けることもできます。「〜を見せてくれてありがとう」「〜という音に心が安らぎました。ありがとう。」など、短い言葉でも十分です。
- スマートフォンの写真: 観察した自然の写真を撮り、その写真のキャプション機能やメモ機能を使って、感謝の言葉やフレーズを記録します。「今日の空、ありがとう」「〇〇の花、きれいだね。ありがとう」といった形で、手軽に残せます。
- 音声メモ: スマートフォンの録音機能や専用アプリを使って、観察した自然の音や風景を声で描写しつつ、「〜の音が心地よいです。ありがとう」といった感謝の言葉を吹き込みます。移動中など、手を使えない状況でも記録できる利便性があります。
- デジタルジャーナル・メモアプリ: パソコンやスマートフォンで使えるメモアプリや日記アプリに、観察内容と感謝の一文をテキストで記録します。ハッシュタグ機能を使えば、後から特定のテーマや場所で記録を整理することも可能です。
どの方法を選ぶにしても、完璧を目指さないことが継続のコツです。短い言葉でも、一行だけでも、写真一枚に感謝のキャプションを添えるだけでも立派な「ありがとうネイチャーノート」になります。記録すること自体が、感謝の意識を高める行為なのです。
「ありがとう」を記録することで得られる効果
自然に「ありがとう」を添えて記録する習慣は、私たちの心に様々な良い変化をもたらすことが期待できます。
- 感謝の意識が高まる: 日常の中に感謝すべき対象が沢山あることに気づきやすくなります。意識的に「ありがとう」を探すことで、自然と感謝の視点が養われます。
- ポジティブな感情が増える: 感謝の気持ちは、喜びや穏やかさといったポジティブな感情と強く結びついています。感謝を表現することで、これらの感情が増幅され、心の状態が上向くことがあります。
- ストレス軽減とリラックス: 感謝することは、ストレスホルモンの分泌を抑え、心拍数を安定させるなど、生理的なリラックス効果があると言われています。自然の中で感謝を見つけることは、特に心地よいリラクゼーションにつながる可能性があります。
- マインドフルネスの実践: 自然観察そのものが「今この瞬間」に意識を集中させるマインドフルネスの実践です。さらに、そこに感謝の言葉を添えることは、現在の状況を肯定的に受け入れる行為であり、より深いマインドフルネスにつながります。
- 自己肯定感の向上: 自然という外の世界との肯定的な関わりを持つことで、自分自身の存在がこの世界の一部であり、価値あるものであるという感覚が育まれることがあります。自然からの贈りものに感謝することは、自分も受け取るに値するという穏やかな自己肯定感につながる可能性があります。
これらの効果は、すぐに劇的に現れるものではないかもしれませんが、継続することで少しずつ、着実に心の状態をより良い方向へと導いてくれるでしょう。
まとめ
「ありがとう」を添えるネイチャーノートは、身近な自然との触れ合いを通して、心の穏やかさや感謝の気持ちを育む手軽で素晴らしい習慣です。特別な準備は何も要りません。いつもの道を歩いている時、窓の外を眺めている時、公園で休憩している時など、日常の隙間時間に見つけた小さな自然に目を向け、「ありがとう」という言葉や気持ちを添えて記録してみてください。
手書きでも、スマートフォンでも、ご自身にとって最も続けやすい方法で結構です。短い言葉から始めてみましょう。この小さな習慣が、日々の生活に温かい光と穏やかな時間をもたらしてくれることを願っています。今日から、あなたの「ありがとうネイチャーノート」を始めてみませんか。